2003年6月18日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン16日遠藤誠二】イラク戦争開始の直前にテロ対策の米大統領特別補佐官を辞任したランド・ビアーズ氏は、十六日付ワシントン・ポスト紙のインタビューで、ブッシュ政権のテロ対策、軍事・外交政策を痛烈に批判しました。
同氏は、「対テロ戦争でブッシュ政権は言行を一致させず、われわれ(国民)をより危険にさらしている」「テロ対策は団体スポーツみたいなもので、試合は命がけ。攻撃もあれば防御もある。ブッシュ政権は何よりも攻撃ありきで、チームワークはなかった」と語り、政権のおそまつなテロ対策を暴露しました。
また、テロ問題の根本的原因を探り、それに取り組むことをせず、「海外、国内双方で困難で長期的な問題は避けられ軽視された」と語り、いきあたりばったりの対策に終始していたと指摘しました。
イラクへの侵略についてビアーズ氏は、同問題に焦点があてられ過ぎたため「国内の安全保障対策に向けられる人手、知能、予算が奪われた」と批判。イラク戦争は、アルカイダの新しい世代を育てただけであり、政権内の多くは「思慮に欠け実行の伴わない戦略だ」と考えているとも言明しました。
アフガニスタンへの軍事侵攻をめぐっても、アルカイダなどのテロリストを各地に散らしただけであり、現在「われわれはそこで何が起きているのか分かっていない。ビンラディンがアフガンのどこででも存在できる」状況となってしまっていると述べました。