2003年6月20日(金)「しんぶん赤旗」
東京都内の労働基準監督署の勧告・指導で支払われた時間外労働などに対する割増分をふくむ未払い賃金(注)が、昨年度下半期だけで二十二億七千万円にのぼることが、十九日までに東京労働局のまとめで分かりました。この問題で日本共産党の井上美代参院議員は同日、国会内で東京労働局の佐田通明局長と会い、指導・監督のいっそうの強化を要請しました。
割増賃金支払いの勧告・指導の対象となったのは、六十六企業、六百七十二事業場(本店、支店、営業所など)。半年間で支払いを受けた労働者数は二万一千五百十人です。
前回のとりくみでは、〇一年一月から〇二年六月の一年半の間に、勧告指導の対象となったのは六十七企業一万五千二百五人だったのに対し、十五億円が支払われています。今回は半年間で、前回をはるかに上回る急増ぶりです。
東京労働局は「労働時間の適正な管理と賃金不払い残業の解消に向け監督指導のいっそうの強化を図る」としています。
六十六企業を業種別にみると、商業、製造業がそれぞれ十五企業、金融業が十企業などとなっています。労働者規模別にみると、千人以上五千人未満が十六企業で一番多く、三百人以上一千人未満が十五企業、五千人以上が十一企業となっています。
(注)通常の終業時間後に仕事をさせたり休日に出勤させた場合、使用者は賃金の25%から50%を上乗せして支払わなければなりません。この割増分をふくむ賃金を支払わないサービス残業が長引く不況、リストラの横行のなかで問題になり、日本共産党は是正を強く求めてきました。