日本共産党

2003年6月21日(土)「しんぶん赤旗」

がんばる中小企業を応援

借換保証制度創設・改善

奮闘する党国会議員団


 中小企業の資金繰りを助けるための借換保証制度(資金繰り円滑化借換保証制度)がつくられて中小業者に歓迎されていますが、日本共産党国会議員団は制度創設に力を尽くすとともに制度運用の改善・充実にも力を入れ、深刻な不況下で懸命にがんばる中小企業の応援団として奮闘しています。

 長引く不況で売り上げが減少している下、借金の返済が中小企業に重くのしかかっています。借換保証制度は、信用保証協会の保証付き借入金を、より返済期間の長い融資へ借り換えたり、複数の借入金の債務を一本化することにより、月々の返済を軽減しようとするものです。

 二月十日の運用開始いらい四カ月間で十四万五千五百二十五件、二兆二千四百二十八億円の実績(六月十三日現在)をあげています。

 借換保証は申請制度であるため、信用保証協会や金融機関の窓口の対応が要です。借り換えは融資条件の変更にあたるとして新規融資を拒否するなど、「やる気と能力のある中小企業の資金繰りを円滑化する」という制度の趣旨に反して、制度活用を阻害するような現場の対応が全国的に問題になっています。

 日本共産党は、中小企業の具体的な要望をとりあげ、信用保証協会や金融機関に指導徹底をはかるよう働きかけ、「運用においてもきめ細やかに対応する」(平沼赳夫経済産業相)などの答弁を引き出しています。

 ◇「制度に逆行」(平沼経産相)     

 西山とき子議員 第一に、(融資の)条件変更している案件について、一月二十九日の予算委員会で、大臣は明確に対象にしていくとご答弁なさった。ところが依然として融資が受けられない事例が出ております。さらに徹底していただきたい。第二に、条件変更を一律に条件緩和債権扱いにしない措置をきちんととってほしい。厳しい改善をお願いしたい。

 平沼赳夫経済産業相 ご指摘のようなことが現実に起こっているということは、制度を作らせていただいたことにまさに逆行すること。個別のそういう案件がございましたら、ぜひ私どもに知らせていただきましたら、私どもは金融庁とともにそこのところは厳然とやらせていただく。(5月22日、参院経済産業委員会)

 ◇「条件変更を理由にするのは趣旨の不徹底」(中小企業庁長官)      

 八田ひろ子議員 名古屋市保証協会では、担当者から、「条件変更中は原則として増額しないことを貫いている」、こういうふうにいって、条件変更中を理由として(融資の増額等について)門前払いの扱いがあった。これは制度の趣旨から外れているのではないか。

 杉山秀二中小企業庁長官 外的な基準としての条件変更を受けているという理由だけで保証を断ったり、増額を認めないというのは趣旨の不徹底ということだ。機会をつかまえながら、趣旨はきちっと引き続き関係のところに徹底させたい。(5月23日、参院決算委員会)

 ◇「一つひとつ丁寧に対応していきたい」(平沼経産相)  

 塩川鉄也議員 埼玉で中小企業の方から伺っていて、金融機関に「やってもいいけれども、返済中は新たな融資は一切できないからやめた方がいいのでは」と言われたという例もある。借換制度の趣旨が徹底されていない現状にある。改めて制度の周知徹底を図っていただきたい。

 平沼赳夫経済産業相 そういう事例があるということも承知しておりますので、そういうことがないように私どもはさらに徹底していきたいと思っております。埼玉の具体例がありましたが、それはぜひ教えていただければ、私どもは一つひとつ丁寧に対応していきたい。(6月11日、衆院経済産業委員会)

 ◇「債務一本化しても保証人なしは適用」(中小企業庁長官) 

 西山とき子議員 無担保保険の八千万円のうちで五千万円までは第三者保証人なしで受けられることになっているが、五千万円以下でも第三者保証人が求められている。この点も改善をお願いしたい。

 杉山中小企業庁長官 無担保保証の利用が五千万円以下という場合には第三者保証人を徴求しないということで運用をいたしております。債務を一本化した場合でもその無担保保証の残高が五千万円以下であればその原則適用するということで考えておるところ。(5月22日、参院経済産業委員会)


資金繰り円滑化借換保証制度の利用実績(累計) 

件数(件)保証承諾
金額(億円)
2月末13,0062,093
3月末61,81110,220
4月末95,71015,191
6月13日現在145,52522,428

※4月末までは確報値(中小企業庁のウェブ・サイトから)


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