2003年6月25日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ24日浅田信幸】スペインの有力紙エルパイス二十三日付は、イラクによる大量破壊兵器保有についてアスナール首相が同国の情報機関の確証を得ないまま兵器保有は「確実」だと主張していたと報じました。
マドリードからの報道によると、野党社会労働党のサパテロ書記長は二十三日、軍事機密にかんする議会委員会の緊急開催を要求。米英両国で誇張された情報に基づきイラク戦争に踏み切ったことの是非を問う動きが広がっており、スペインにも拡大する可能性があります。同紙によると、スペインの情報機関CNIはイラク危機の当初からイラクには核兵器製造能力がなく、イラク・フセイン政権とテロ組織アルカイダとの関係もないとみていました。
パウエル米国務長官による国連安保理での「証拠提示」後には、「イラクは大量破壊兵器を開発する意図を保有している」と評価したものの、現実に保持したり、それを使用する力はないとの判断は変えず、差し迫った脅威だとも見ていませんでした。アスナール首相は二月にテレビ番組で「イラク政権は大量破壊兵器を保持している。私が真実を語っていることを信頼してもらっていい」と語り、九割を超える戦争反対の国民世論に背いて米英のイラク戦争を支持しました。