日本共産党

2003年6月26日(木)「しんぶん赤旗」

イラクへ主権の返還急げ

国連特別代表 米英に呼びかけ


 バグダッドからの報道によると、国連のデメロ・イラク問題担当事務総長特別代表は二十四日、「いずれの外国人もイラクの実権を握ることはできない。イラクを統治する能力と権利を有するのはイラク国民だけだ」と述べ、イラクを占領している米英両国に対し主権を速やかにイラク人に返すよう呼びかけました。また、国連はイラクで「政治的な役割を担っている」と強調しました。

 デメロ特別代表の記者会見は、六月初めにイラク入りして以来初めて。同特別代表は、イラク国民が、米国の支配からイラク人の暫定政権への移行が遅々として進まないことにいら立ちを募らせていると指摘。近い将来に開くと米占領軍が明らかにした戦犯法廷についても、イラク国民による政府が樹立されるまで待つべきだと述べました。

 デメロ氏はまた、選挙で選ばれるイラク人政府に米国が権力を移譲する以前の段階でもイラク人は暫定政権で強い役割を果たすべきだと強調。暫定政権は「政策立案や予算管理の両方で(選挙で選出される)政府に最も近いものにならなければならない」と述べました。

 そして、国連加盟国のイラクが国連常任理事国の米英両国の「占領下」にあるのは「まったくおかしなこと」だと指摘。「重要なことはイラク人が支配的な役割を果たすことだ」と強調しました。

 デメロ特別代表は「われわれは、米英軍がイラクを去った後も長期間イラクに滞在するだろう」とのべ、「国連は政治的な役割を担っている。国連には、イラク復興の役割がある。国連は、イラクにおいて人道的仕事を十分に行ってきた。イラク人は、施し以上のものを得る権利がある」と述べました。


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