日本共産党

2003年6月29日(日)「しんぶん赤旗」

社会保険料 去年の10倍、18倍…

えっ こんなに!

ボーナス明細に衝撃


 ボーナスシーズンですが、今年は支給明細書を見て衝撃を受けたという声があちこちから聞こえてきます。


ボーナスでがっぽり天引き
(単位円)
《東京の会社員、Aさんの場合》
 去年今年
厚生年金保険料508271430
雇用保険料6098 7364
健康保険料――29982
介護保険料―― 3419
11180 112195
《佐賀のBさんの夫の場合》
厚生年金保険料380038485
年金基金―― 9000
健康保険料――19278
介護保険料―― 2213
380068976

 「こんなに負担が増えるなんて予想してなかったよ」と声を上げるのは東京都内の会社員Aさん(51)。今年度から厚生年金保険料や健康保険料が「総報酬制(年収基準)」となり、ボーナスからがっぽり天引きされました。

 厚生年金保険料の天引き額は昨年の五千八十二円から七万一千四百三十円へ十四倍。昨年はボーナスからの控除がなかった健康保険、介護保険の両保険料も控除され、厚生年金保険料を含め社会保険料の天引きの合計は昨年の十倍の約十一万二千二百円にも(表参照)。

 「ボーナスは基本給の二カ月分がベースです。その基本給は四十代から頭うち。なのに、社会保険料が十一万円以上とられるなんて」。Aさんは嘆きます。

 「下がったわ。困ったわ」。嘆き声は佐賀県の主婦Bさん(43)からも聞かれます。

 夫のボーナスは去年より五万円下がって約七十一万四千円に。厚生年金が三千八百円から十倍になり、今年新たに引かれる年金基金、健保、介護保険をあわせると、約六万九千円。なんと十八倍です。

 十五年前に買った家のローン(毎月五万円、ボーナス時は二十五万円)と、社会保険料や税金などが引かれると手元に残るのは三十万円弱。「毎月赤字。ボーナスはその穴埋めなのに。来年はどうなるか」。三人の子どもは来年、高校・中学・幼稚園にそれぞれ進み、教育費がかさみます。長男が病弱で働きにでることができないBさん。

 「病弱児への施策や制度がなくて苦労します。三十人学級も実現しない。何のための負担増か。政治にうとい私でも、子どものための施策にもっと力を入れてほしいと思う」

 小泉内閣が打ち出した「骨太の方針」第三弾で、さらに社会保障が抑えられ、国民負担が増えます。前出のAさんは「労働組合をはじめ国民がもっと怒りの声をあげないといかんなあ」と声に力をこめました。


 総報酬制とは 年金、健康保険などの社会保険料はこれまで毎月の給与を中心に徴収していました。今年度からボーナスからも月給と同じ料率で徴収する総報酬制にかわりました。厚生年金はボーナス時の料率が三月までは1・0%(労使折半)だったのが13・58%に。健康保険の料率は加入する健保組合ごとに違います。記事中のAさんらの健保組合は三月までボーナスの料率が0%でした。


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