2003年7月2日(水)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の畑野君枝議員は一日の参院文教科学委員会で、国立大学法人法案が授業料の値上げを招く危険について質問しました。
六月二十九日付「朝日」の学長アンケートでは、国立大九十六校中二十四校(25%)が「学費が全体として上がる」と回答。医系・理系の授業料値上げにつながる学部別授業料の導入について二十一校(22%)が「賛成」の意向を示しています。
畑野氏は「国民の間で懸念が高まっている。授業料がどうなるのか明確にせよ」と追及。文科省の遠藤純一郎高等教育局長は「検討中」と答え、値上げを否定しませんでした。
法案は、各大学の運営のため、新たに二−八人の理事、二人の監事を置くと定めており、その数は全国で五百八十四人(定員)にのぼります。ここに文科省官僚が大量に天下りすると報道されています。
畑野氏は「学長・理事の役員報酬は年千七百二十五万円、監事は千三百六十七万円との案を文科省は出している。総計で年間約九十六億円になる」との試算を提示。授業料値上げはあいまいにしながら、天下りだけははっきりしているのかと批判し、「天下りはしないと明言すべきだ」と追及しました。遠山敦子文科相は「学長が大学の将来を考えて任命する。行政経験者を選ぶ場合もそうだ。その見識を信頼する」と述べ、天下り容認の姿勢を示しました。
畑野氏は、文科省が法案を先取りして中期目標・中期計画の作成を各大学に押しつけてきた実態を紹介。「国家統制であり、文科相が答弁した『自主性・自律性の尊重』と違う。法案審議の前提が崩れている」と述べ、廃案を求めました。