2003年7月2日(水)「しんぶん赤旗」
衆院イラク特別委員会は一日午前、イラク特措法案について参考人質疑をおこない、六人の参考人が意見を陳述しました。この中で大阪市立大学の松田竹男教授は「自衛隊派遣は、国際法上の合法性を担保されていない軍事行動への参加であり、憲法九条が禁じる武力行使にあたる」と批判しました。(4面に詳報)
法案は、自衛隊派遣が「安保理決議一四八三…に従ってイラクにおいて施政を行う機関」すなわち米英軍による占領当局の同意で行うことができることになっています。松田氏は、決議一四八三について、占領地の治安維持など「国際人道法上の占領国としての義務、責任を果たすよう求めたもので、(米英による)占領統治そのものを合法化したものではない」と指摘しました。
このため法的にはイラク側には、違法・不当な軍事占領を行っている米英軍を攻撃する権利があり、この意味では、「イラク全土が今でも戦闘地域」と指摘。派遣される自衛隊も攻撃対象になるとのべました。イラク側の攻撃が正当な戦闘行為となれば、自衛隊の反撃行動は「正当防衛」といえず、「(イラク側と)同格の戦闘行為」になると強調しました。
大野元裕ゼネラルサービス取締役統括本部長は「イラクでは潜在的な米軍不信が強い。全土が不安定になることも否定できない」と指摘。ジャーナリストの角谷浩一氏も「イラク暫定政権の要請ならともかく、米軍の要請で(自衛隊が)駐留軍の一員となるというのは説明が足りない」と批判。慶応大学の藤田祐幸助教授は、米軍が使った劣化ウラン弾による被害を紹介、「武装兵の派遣でなく、小児がんセンターの建設を」とのべました。