日本共産党

2003年7月3日(木)「しんぶん赤旗」

イラク占領は長期化

米大統領 戦闘継続認める


 【ワシントン1日遠藤誠二】ブッシュ米大統領は一日、ホワイトハウスで行われた米軍関係の式典で演説。米軍のイラク駐留は長期化するとの見通しを語り、イラク全土で米軍占領に対する攻撃と戦闘が続いている状況を認めました。

 ブッシュ大統領は「復興によってイラクを穏健と民主主義、繁栄の模範の国にするために(占領は)大規模で長期的な事業になる」と語り、米英軍主導によるイラク駐留を長引かせることを表明。五月一日の戦闘終結宣言後二カ月で六十人もの米兵が犠牲になっていることなど、混乱を招いている占領下のイラクの状況については「最初から、われわれはこの取り組みが長く困難になることを知っていた。われわれの決意は試されることになる」と弁明しました。

 そのうえで同大統領は、米軍などを攻撃するグループは「米国を傷つける機会を得、完全に自由が確立される前に米軍がイラクを去る」ことを狙っているが「それは間違いで、彼らは成功しない」とも主張、フセイン政権残党・反米組織狩りを含めた取り締まりを強化する考えを示しました。

 イラクでの混乱状況をめぐっては、米政権指導部は対応に苦慮しています。ラムズフェルド国防長官は、三十日の記者会見で報道陣から「ゲリラ戦争化していないか」と、泥沼化したベトナム戦争を引き合いに出した質問を受け、これを全面否定。一方で、イラク占領では、どのくらいの「期限となるのか考えは持ち合わせていない」として、米国の思惑通りに事が運んでいないことを認める形となりました。

 現在イラクに駐留する米軍は十五万人。米軍内部では追加派遣の必要すら検討されているといいます。

 米英両国内で政治問題化している大量破壊兵器の未発見、同兵器をめぐる戦前の情報ねつ造疑惑について、一日の演説でブッシュ大統領は言明しませんでした。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp