2003年7月5日(土)「しんぶん赤旗」
「現地で活動する立場から到底賛同できない」──。イラク派兵法案が衆院を通過した四日、イラクで人道復興支援をしているNGOやイラク戦争に反対してきた市民団体の代表が国会内で記者会見し、自衛隊派兵は支援活動に障害をもたらすと批判しました。
イラクに三人を派遣して人道復興支援をしている日本国際ボランティアセンター(JVC)の清水俊弘事務局長は、「現場では軍事、政治から切り離した中立的立場で人びとと信頼を築き、効果的な支援をしようとしている」と指摘。「軍服を着た人びとが人道支援をやる文脈はなりたたないと強く思っている。自衛隊派遣には到底賛同しかねる」と話しました。
「イラクの人びとに占領軍への反感が日増しに高まっている」と語ったのは、イラク南部で水・衛生関係の支援をしている国際NGO、オックスファムインターナショナルの唐津聖子・日本事務所代表。「日本は中東地域で中立的立場で見られる利点が占領軍と同じと見られて損なわれ、日本が中東の安定のために担える役割がそがれるのを懸念している」とのべました。
イラク支援市民ネットワークの相澤恭行さんも「銃をもった兵士がいる所はどこでも戦闘区域になるのではないか。自衛隊行くところすべてが戦闘地域になり、イラク人を殺し、日本人(自衛隊員)が殺される危険性も出てくる」と指摘しました。
さらに、「イラク人は不当な人権侵害を受けている。自衛隊が米軍をサポートすることがイラク人にどう映るか。小泉政権、自民党、公明党は認識が甘すぎる」(ジャーナリスト、志葉玲さん)、「世界最大の軍事力の米軍と世界第二の軍事費の自衛隊が一緒にイラクを占領下におくことにつながりかねない」(ピースボートのチョウ・ミスさん)などの発言が続きました。
記者会見では「ワールドピースナウ」実行委員会の高田健さんが、今月七日に東京・渋谷でイラクへの自衛隊派兵に反対する「七夕ピースパレード」を行うと発表しました。午後六時四十五分から渋谷の宮下公園でラリートーク、午後七時十五分からパレードを行います。