2003年7月6日(日)「しんぶん赤旗」
【ワシントン4日浜谷浩司】ブッシュ米大統領は独立記念日の四日、オハイオ州デイトンで演説し、米国は攻撃されるのを待つことはないとして、先制攻撃戦略を対外政策の柱としていく姿勢を改めて強調しました。
大統領は「米国が強力な大国であるのは、偉大な軍があるからだ」と軍事力への依拠を表明。一方で「米国はなお戦争のなかにある」とテロとの「戦争」が今後も続くことを国民に警告しました。
そのうえで、二〇〇一年の同時テロ以後は「再び攻撃されるまで手をこまぬくことはない」「悪人の自制や善意を信じはしない」という立場だと言明。さらに「いかなるテロ集団や無法体制であれ、米国を大量破壊兵器で脅かすことは許さない」として、「必要があればいつでも行動する」と述べました。また、「世界で米国が積極的に介入しなければ、圧制の野望はやりたい放題となり、幾百万人がテロリストの手中におかれる」と、世界規模での軍事介入を正当化しました。
米大統領の世界に対する善悪二元的な見方と、それと一体の先制攻撃戦略は、アフガニスタン戦争やイラク戦争を通じて、内外から厳しい批判を浴びてきました。それにもかかわらず、この演説は、平和を破壊し国際法を無視した戦略の継続を改めて宣言したもの。