2003年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の林紀子議員は八日、参院文教科学委員会で、採決に先だって国立大法人法案の問題点をただしました。
国立大学法人には最大で五百八十四人の理事、監事が新たに置かれます。林氏は「官僚の新たな天下り先にならないか。『理事は学長が適切に任命する』というが、監事は大臣任命だ」と追及しました。遠山敦子文科相は「官民問わず選ぶ。あくまでも適材適所だ」と述べ、天下りの可能性を否定しませんでした。
法人化に伴う非公務員への身分変更について、林氏は「国家公務員としての身分継承を本人が希望した場合はどうするのか」と質問。文科省の玉井日出夫総括審議官が的外れの答弁を繰り返し、議場は一時騒然となりました。最終的には「個別の事情、意見がある場合はお聞きし、別の辞令を発することもありうる」と答弁、個別に対応する考えを示しました。
最後に林氏は大学の安全衛生の問題を取り上げ、広島大学の危険な実験室の写真パネルをかかげながら、「四月までに(違法状態を)改善するには研究をすべて中断して作業しなければならない。学生は卒業論文も書けなくなる」との現場の声を紹介しました。玉井氏は「必要な予算を追加配分し、安全が図られるよう万全を期す」と答えました。