日本共産党

2003年7月10日(木)「しんぶん赤旗」

命奪う国保証 取上げやめて

業者の実情切々と

全商連婦人協 厚労省に要請


 長引く不況、小泉流不良債権処理、大企業のリストラなどで収入が閉ざされ、国保税を滞納せざるをえない中小業者が急増しています。全国商工団体連合会婦人部協議会(全婦協)は九日、厚生労働省に「いのちを奪う国保証の取り上げはやめて」と要望書を提出、交渉しました。

 参加者からは、「滞納世帯が47・8%になる市もある。分納、減免を申し立てたら、市の担当者から、『ご飯を食べているなら、それを保険料にまわせ』といわれた」(大阪)、「滞納したら、取り引きのための預貯金まで、差し押さえられた」(東京)、「出産一時金を申請したら、滞納分にあてると言われた」(千葉)などの発言が相次ぎました。

 全婦協は、女性事業主、女性家族従業員など中小業者婦人の要求を掲げて運動を続け、業者婦人の健康調査をすすめてきました。中小業者の国民健康保険をめぐる非人道的事例について調査を呼びかけたところ十五都道府県から六十件もの深刻な報告が寄せられました。このなかには、「サラ金で借りて保険料を支払え」などといわれた非人道的な例もありました。

 この調査にもとづいて全婦協は、(1)特別の事情にあると認められる場合は、正規の保険証を交付する(2)滞納者から国保証をとりあげることをやめる(3)短期保険証、資格証明書の一律的な発行は、ただちに中止するよう都道府県に指導する(4)保険証に「マル短」などのスタンプを押す人権侵害の行為は中止する(5)保険料滞納を理由に、出産育児一時金や高額医療費助成金などの給付差し止めをやめる(6)保険料(税)を引き下げる―など十一項目を要望しました。

 厚労省側は、特別な事情と認められる場合は、「保険証を交付する」と回答しました。

 交渉には、三十五人が参加。日本共産党の小池晃参院議員が同席しました。

 (注)保険料が納付できない特別の事情=▽世帯主がその財産につき災害を受け、または盗難にあった場合▽世帯主または、その者と生計をいっしょにする親族が病気にかかり、または負傷した場合▽世帯主が事業を廃止し、または休止した場合▽世帯主がその事業につき著しい損失を受けた場合―など。


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