2003年7月12日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン10日浜谷浩司】イラクで米占領軍が連日襲撃され、米兵に犠牲者が出ている問題で、十日には、ブッシュ米大統領が米軍の困難を初めて認め、米中央軍のフランクス前司令官も襲撃事件の頻発を確認しました。米国内では「戦争は終わっていない」との見方がさらに広がっています。
ブッシュ大統領は訪問先のボツワナでの会見で、「米軍が治安問題に直面していることは明白だ」と述べました。
七日に退任したばかりのフランクス前司令官は十日、下院軍事委員会の公聴会で、議員から「昨日も深刻な攻撃が九件にのぼったというが」と聞かれ、襲撃が起きている地域では「どの日であれ、十─二十五件の暴力事件が発生している」と答えました。米軍の駐留期間については「二年になるか、四年になるかわからない」と長期化することを認めました。
イラク現地のサンチェス司令官も同日、バグダッドでの会見で、この間の作戦の成果を強調しながらも、治安問題の解消には「長い時間がかかる」と発言しました。
民間調査機関のピュー・リサーチ・センターが八日に発表した世論調査によると、イラクでの軍事作戦が「非常にうまくいっている」とする人は、四月中旬の61%から23%に大きく後退。逆に、「うまくいっていない」との回答は、4%から21%に上昇しました。