2003年7月17日(木)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の志位和夫委員長は十六日、国会内で定例の記者会見を行い、政府・与党が成立を狙うイラク派兵法案について「衆参での質疑を通じていよいよ道理も大義もないことがはっきりした。国民世論も多数が反対している。強行に強く反対して最後まで廃案のために力を尽くす」と表明しました。
志位氏は、「あらためてはっきりさせておきたい問題」として、米英がイラク戦争の「大義」としたフセイン政権の大量破壊兵器問題について指摘。世論の批判で米英政府に対する真相追及の動きが強まるなか、「米政府自身が、『(イラクは)大量破壊兵器を保有』と断定したことが根拠がなかったことを、認めだしているのが重大な特徴だ」とのべ、二つの言明を重視しました。
一つは、ブッシュ大統領自身が六月二十七日のラジオ演説で、「大量破壊兵器を保有」しているという従来の言い方から、「大量破壊兵器計画」があったという言い方に変え、ラムズフェルド国防長官も「計画」と言い換えていることです。
志位氏は、「『保有』しているとの断定と、『計画』があったのとではまったく違う。事実上、『保有』と断定したことに根拠がなかったことを自白することにほかならない」と強調しました。
もう一つは、ラムズフェルド国防長官が七月九日の上院軍事委員会公聴会で、「開戦前にイラクの大量破壊兵器について新たな証拠は持っていなかった」「われわれは、同時多発テロの経験というプリズムを通して、新たな観点からすでにある証拠を見たのだ」と証言したことです。
志位氏は「『新たな証拠』はなく、プリズムという色眼鏡で古い『証拠』をみたということだけだ。これも、断定に根拠がないことを自白するもの」と批判しました。
そのうえで、大量破壊兵器の「保有」を「断定」していた小泉首相の詭弁(きべん)やごまかしはもはや通用しないと強調。「本家のアメリカで『保有』の『断定』に根拠がなかったことを当事者たちがのべだしている。アメリカいいなりに『保有』と『断定』して、イラク戦争を支持してきた責任をはっきりさせるべきだ。それすらうやむやにしたままで、無法な戦争の軍事占領支援の法案を強行することは絶対に認められない」とのべました。