2003年7月17日(木)「しんぶん赤旗」
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十年間に六百人以上の自衛官が自殺−−日本共産党の小沢和秋衆院議員は十六日、衆院厚生労働委員会で陸、海、空三自衛隊の自殺者が急増している問題をただしました。
三自衛隊の自殺者は一九九三年度から二〇〇二年度までの十年間で六百一人にのぼっています。最多は〇二年度の七十八人。今年は七月七日現在で二十九人が自殺しています。
防衛庁によると、自殺の原因は「不明」がもっとも多く、ついで「借財」、「病苦」、「職務」等となっています。
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三十代前半でみると、一般男性の自殺者は十万人あたり二十八人に対し、自衛隊は三十四人とかなり上回っています。
小沢議員は「自衛隊関係者によると、『陰湿ないじめにあって自殺に追い込まれた』『勤務上のミスで上官に責められ、懲罰を受けてノイローゼで自殺した』という例があり、自衛隊独特の上下関係を背景にしたいじめを根絶する必要がある。相談も上官が相手では、悩みなども十分にいえないのではないか」と指摘しました。
宇田川新一人事教育局長は「自殺は組織にとっても大きな損失。上位者によるいじめ、私的制裁もあった。今月から電話相談も開設したし、部内、部外のカウンセラーに相談できるようにしている」と答えました。
小沢議員は「自殺の中で厳しい業務に起因する自殺については労働災害による死亡扱いとすべきではないか」とただしました。
宇田川局長は、「これまでに公務認定は二件適用しており、適切に対応する」と述べました。