2003年7月17日(木)「しんぶん赤旗」
衆院財務金融委員会は十六日、ヤミ金融への規制を強化する法案を全会一致で可決しました。
同法案は、ヤミ金融をめぐる事件が深刻化し社会問題化するもとで、被害を防ぐためにヤミ金融への規制の強化をはかるものです。野党四党の共同提案(五月)を受けて与党案と調整、与野党一致の法案提出となりました。
法案には、貸金業の営業要件の厳格化や罰則の強化などが盛り込まれています。
具体的には、(1)一定の財産的基礎がない限り登録できないなど、貸金業登録のための要件を厳しくする(2)取り立て行為や広告・勧誘に関する規制を強化する(3)貸金業者が年109・5%を超える金利で貸しつけた場合の金銭消費貸借の契約を無効にし、金利は払わなくてもよいようにする(4)出資法の上限29・2%超える金利で貸しつけた場合の罰則の強化などを定めています。付則では警察による取り締まり強化を明記しました。
ヤミ金融の被害者救済にとりくむ「被害者の会」の人たちや弁護士らが傍聴しました。被害にあった富永真至さん(41)は「どこに相談していいか分からず、誰にも相談できずに命を落とす被害者がたくさんいます。この法律が被害者の力になって救われる人が増えると思います」と話しました。