2003年7月18日(金)「しんぶん赤旗」
母親が生前積み立てていた共済年金を金沢市社会福祉事務所が収入とみなし、生活保護費を減額したのは違法だとして、重度の障害がある金沢市の高真司さん(52)が減額処分の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(島田仁郎裁判長)は十七日、福祉事務所側の上告を受理しない決定をしました。減額を違法として処分を取り消した一、二審判決が確定しました。
一審の金沢地裁は一九九九年、「年金は介護費用の不足を補うもので、生活保護費の上乗せ的な性格がある」と判断。二審の名古屋高裁金沢支部も「自立に必要な資金として収入から除外すべきだ」としました。
一、二審判決によると、高さんは脳性小児まひの後遺症でほとんど動けず、七七年から生活保護を受けていました。母親は石川県心身障害者扶養共済年金に加入しており、八八年に母親が死亡した後、高さんは月二万円の年金を受け取るようになりましたが、福祉事務所は年金を収入と認定。生活保護費を減額しました。