2003年7月19日(土)「しんぶん赤旗」
国連児童基金(ユニセフ)は十七日、イラクで子どもの死傷事故が今も続いており、フセイン政権崩壊の四月十七日以降、米英軍が投下したクラスター(集束)爆弾などの兵器やイラク軍が公共の建物や住居地区に放棄した数千トンもの弾薬で、千人以上の子どもが死傷していることを明らかにしました。ユニセフがバグダッドとジュネーブで公表したもの。
ユニセフ・イラク事務所のデロイ・イラク代表は、「クラスター爆弾(の子爆弾)は子どもの興味を引く形をしている。多くの子どもがぴかぴか光る金属やボールのような形のものをみつけ、拾って遊んでしまう」、「子どもたちは、放棄された弾薬の山から売るために貴重な金属や部品をあさっている」とその危険性を指摘しました。
ユニセフは、バグダッド北東二百六十キロのハディタの弾薬廃棄場で三十人以上が死亡した事件や北部のキルクークで四月後半の二週間で子ども百三十三人が不発弾で死傷したこと、モスルでは一日に二十件の事故が報告されていることなどを指摘。デロイ氏は、米英主体の暫定行政当局(CPA)が弾薬除去など十分な事故防止策を講じていないと批判しました。