2003年7月19日(土)「しんぶん赤旗」
【ワシントン17日浜谷浩司】ブレア英首相は十七日、米議会上下両院合同会議で演説し、イラク戦争の口実とした大量破壊兵器がなお発見されない中で、その判断に誤りがあったとしても、非人道的な脅威を取り除いたことを「歴史は許すだろう」と、イラク侵略戦争を正当化しました。テロと大量破壊兵器との結合の脅威を強調する一方で、「自由」のために「たたかう」必要をしばしば指摘しながらの演説で、「反テロ戦争」をたたかうブッシュ米大統領をリーダーとして、世界が結集するよう呼びかけ、副官としてその政策を推進する姿勢を示しました。
首相は、イラクでもアフガニスタンでも「戦争に勝てばいいのではない」とし、イラクに民主政権を約束したからには「やり通す」「仕事を終えるまで去ることはない」と明言しました。
ブレア首相は、米国への「対抗力」という考え方は危険だとして、唯一超大国の米国の周りに結集する必要を表明しました。イラク戦争をめぐって明らかになったフランスやドイツなどとの対立について、欧州と米国が「ともに動く」必要を強調。ヨーロッパを「見捨てないでほしい」と述べるとともに、ヨーロッパは反米主義を「打破しなければならない」と強調しました。