2003年7月23日(水)「しんぶん赤旗」
健康管理手当を受給している被爆者の更新手続きが、この八月初旬から簡素化されることになりました。医師が被爆者の症状が慢性化および固定化していると診断すれば、再申請は不要で、手当の受給期限が無期限となります。二十二日、日本共産党の小池晃参院議員への厚生労働省の説明で明らかになったもの。
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)にもとづく健康管理手当(月額約三万四千円)は現在、最長でも五年間で再申請が必要です。
同手当を受けるためには、申請書に障害を伴う病気について都道府県が指定した医療機関などの医師の診断書を添え、知事(広島、長崎両市は市長)に提出しなければなりません。また在外被爆者は、更新のたびに来日しなければならず、大きな負担になっていました。
このため、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)は、政府に対して「被爆者の高齢化で、健康管理手当など諸手当の更新手続きが大変に苦痛になっている。寝たきりになると、いっそう負担がきびしくなる」と更新手続きの廃止を求めています。
小池参院議員は、六月十日の厚生労働委員会でこの問題を取り上げ、政府が「検討する」としながら依然として進展していないことを追及。坂口厚生労働大臣が「今検討を進めております。早く結論を出したい」と答えていました。