2003年7月23日(水)「しんぶん赤旗」
【ワシントン21日遠藤誠二】アナン国連事務総長は二十一日、安保理に提出するイラク問題に関する報告書を公表しました。報告は、米軍の占領終結やイラク国民自らの統治にむけた取り組みの促進をうたっています。二十二日の安保理会合で正式に提示されます。
報告で事務総長は、イラク人による統治評議会発足を歓迎。同時に、「増大するイラク国民のいらだちを止める」ためには、「主権を取り戻すための明確な時期を設定すること」、「軍事占領を終結させるための継続的な取り組みが必要」と述べ、国連として米英軍占領終結にむけた枠組みづくりに協力する意思を示しています。
さらに報告は、イラク問題担当国連事務総長特別代表の独立性とともに、米英軍からなる暫定行政当局(CPA)がイラクでの統治に責任を持つことを強調しています。他方、米軍当局によるイラク人拘束者の不当な扱いなど人権問題で憂慮を示しています。
二十二日の会合では、デメロ特別代表が報告、米兵攻撃など深刻さを増すイラク問題では、占領のあり方や復興をめぐり論議がかわされます。