2003年7月23日(水)「しんぶん赤旗」
【パリ21日浅田信幸】欧州連合(EU)外相理事会が二十一日、ブリュッセルで開かれ、国連安保理決議に沿ってイラク復興に参加する用意のあることを明らかにしました。同時に、イラクの復興と平和維持のために、より幅広い権限を国連に付与する新決議を求める声もEU内部で強まっています。
発表されたコミュニケは、イラクへの経済制裁の停止を決めた「安保理決議一四八三の枠組みのもとでイラク復興に参加する用意」があることを表明。また今月十三日に発足した統治評議会を「イラク国民によって樹立される国際的に認められた代表性のある政府の形成に向けての重要な一歩」と評価しました。
一方、ドビルパン仏外相は、安保理が新決議によって国連にイラク問題についての全面的な責任を付与するべきだとし、「イラク復興での国連の全面的、中心的な役割を明確にすることが重要だ。決議一四八三では不十分で、もっと野心的な決議が必要だ」と主張しました。
また理事会議長のフラティニ伊外相は会議後の記者会見で、数カ国の外相からイラク復興へのEUのいっそうの関与に国連決議が必要だとの意見が出されたことを明らかにしました。
これにたいし、米国とともに戦争を進めた英国のある外交官は、「現在論議されている行動は、すでにある決議が全面的にカバーしている」とのべたと伝えられます。
外相理事会はまた、米英の占領当局がイラク統治のために設置した基金とは別に、国連と世界銀行のもとに復興資金を管理する基金を設立する欧州委員会提案を承認しました。これは、EUが占領統治に資金援助するかのような印象を避けることが目的だといいます。