2003年7月24日(木)「しんぶん赤旗」
【ニューヨーク22日遠藤誠二】国連安保理は二十二日、イラク復興をめぐる公開会合を開催。アナン国連事務総長が先に提示したイラクに関する報告書をもとに演説し、続いてデメロ事務総長特別代表が報告にたちました。各理事国からは、イラク人による早期の主権回復や米軍の占領終結の必要性、イラク復興は国連中心に行うことなどが訴えられました。
デメロ特別代表による報告は、五月の国連決議一四八三採択後初めて。
アナン事務総長は、「イラクの主権回復のための重要な最初の一歩」との言い方で、統治評議会の発足を歓迎。さらに、決議一四八三に基づき、今後取り組まなければならない重点課題として、(1)イラクの独立と領土の尊重(2)早期の主権回復(3)政治的な将来についてのイラク国民自身の権利尊重(4)天然資源での主権尊重(5)国際社会のパートナーとしての復帰−をあげました。
そのうえでアナン事務総長は、「われわれの共通目標は、国際的に認知された民主的政府の形成による軍事占領の早期終結だ」「イラク人によるイラク人のための憲法制定」などにむけ国連が積極的に支援していく必要があると訴えました。
デメロ特別代表は、統治評議会発足は、権力の真空状態から抜け出すための「新しい段階」であることを意味すると指摘し、次段階では暫定閣僚の任命がおこなわれる見通しを説明。そのうえでデメロ氏は、「(イラクの)主権回復にむけ明確なタイムテーブル(日程表)の提示が必要である」ことも強調しました。
十三日に発足したイラク統治評議会の代表も三人出席し、パチャチ委員が演説しました。
報告に続く討論で各国代表は、決議一四八三による国連の取り組みを評価。一部は統治評議会の発足に支持を表明しました。多くの理事国はまた、イラクの早期主権回復のためには、「国連が復興で行動的な役割を担うことがポイントの一つ」(中国)「国民との対話、新しい憲法制定にむけて国連が中心的な役割をとらなければならない」(フランス)などと主張しました。