2003年7月25日(金)「しんぶん赤旗」
「自分たちがイラク派兵を止めるんだ」と二十四日、全国高校生平和大集会、高校生戦争協力拒否宣言の実行委員たち五十人余りが、官房長官、防衛庁長官、自民、保守新、公明、民主の各党党首、参院外交防衛委員あてに「自衛隊をイラクに送るな」「憲法九条を生かした平和外交を」と要請しました。日本共産党の志位和夫委員長が激励しました。
千葉・市原市の渡辺大輔さん(18)は、「絶対反対。関係ない人が死んじゃうし、つまらんことに税金を使ってほしくない」と要請行動に参加しました。
高校生たちは、今でも戦闘状態のイラクに自衛隊を派兵することを黙って見過ごすことはできないとして、「あらゆる戦争協力に拒否します」と訴えました。
要請は(1)イラク派兵法案の廃案(2)国連中心の人道的支援(3)憲法九条を生かした外交を−の三点を求めています。
公明党などを回った千代村仁さん(16)=埼玉・北川辺町=は、「与党側は僕たちの話をぜんぜん聞こうとしなかった」と不満そう。千葉・鎌ケ谷市の前田真志さん(17)は与党の態度に対し、「国民の代表なのに意見を聞かないなんておかしいじゃん、とメールで友達に送るつもりです。メル友(メール友達)は三百人くらいいますよ」と話しました。
高校生たちは衆院議員会館で志位委員長をはじめ、日本共産党の衆参国会議員団と懇談、集めてきた約二千人分の署名を提出しました。
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拍手のなか実行委員会から要請文を受け取った志位氏は「みなさんの要請は真実と道理にたったもので、全面的に賛成です」とのべ、イラク特措法案の廃案と、自衛隊のイラク派兵を許さないたたかいに全力を尽くす決意を表明しました。
志位氏は、世界の大多数が反対し、国連の支持もなく強行された米英によるイラク戦争の無法さを告発。このなかで日本の高校生が三月と五月に全国平和大集会を開いて反対の声をあげたことにふれ、胸が熱くなったと語りました。世界の反戦世論とともにたちあがった高校生のとりくみに「ここに日本の未来がある。敬意をもってたたえたいと思います」とのべると、大きな拍手がおきました。
イラクで米兵への襲撃が相次いでいる理由について「戦争が間違っていたからです」と強調。米占領軍の横暴ぶりが、イラク国民の反発を強めていることを指摘しながら、自衛隊が支援する危険を告発しました。
日本政府が戦争支持した唯一の「大義」だったイラクの大量破壊兵器がいまだに見つからず、「フセインだって見つからない」と米政府高官の言葉を借りた珍答弁を繰り返す小泉首相の米国追従姿勢を批判しました。
そして「世界の流れからいえば、私たちの運動、みなさんの運動が、大義もあれば未来もある。自信をもって堂々と進みたい。ともにがんばりましょう」と呼びかけました。
志位氏は会場からの質問にていねいに答え、参加者全員と握手し、激励しました。