2003年7月25日(金)「しんぶん赤旗」
国民年金の保険料の未納率が、過去最高の37・2%に――社会保険庁が二十四日に公表した二〇〇二年度の国民年金の納付状況で、保険料を支払わなかった人が約四割に達したことがわかりました。
保険料を全額免除する基準の改悪や長引く不況による収入減で、高い保険料が払えない人が増えたことや、年金制度への不信感の高まりなどが要因となっています。
国民年金は、自営業者や二十歳以上の学生、無職の人などが加入しており、保険料は月額一万三千三百円です。〇二年度末の加入者は二千二百三十七万人で、前年度より三十万人増加しました。
未納率は前年度より8・1ポイント上昇。若年層ほど高く、二十−二十四歳は52・6%、二十五−二十九歳は50・6%と五割を上回っています。
未納率が上昇した大きな要因としては、昨年四月から、所得が少ない人の保険料を全額免除する基準が厳しくされたことが指摘されています。
〇二年度末時点で保険料を全額免除された人は百四十四万人で、前年度末(二百七十七万人)に比べて半減しました。
このため免除対象からはずれて、新たに保険料を支払わなければならなくなった人の未納率は、85・5%にのぼりました。
リストラや倒産による失業の増加で、収入がないために保険料を支払えない人が増えていることも指摘されています。
社会保険庁はこれを受け、八月にも特別対策本部(仮称)を設置。今後五年間で納付率を80%に引き上げることを目標に、免除制度の見直しや保険料の強制徴収の実施など、徴収強化の対策を検討する方針です。