2003年7月26日(土)「しんぶん赤旗」
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「私たちも戦争はいやだと思っているけど、行動まではできない。実際に動くなんてすごい」と署名に応じた専門学校に通う十九歳の女性二人が話します。
二十四日夕、東京・渋谷駅のハチ公前で高校生たち約二十人が「戦争協力に反対します」とする署名を集めました。
宣伝したのは、イラク戦争反対で二度の平和集会を開いた全国高校生平和大集会実行委員会と、高校生戦争協力拒否宣言アピール署名実行委員会の高校生たち。
駅前に「NO WAR」と書いたプラカードやイラクの写真をずらっと並べると、道行く人が眺めます。ハンドマイクで「今、国会では自衛隊のイラク派兵法が通されようとしています。私たち高校生は殺すことも殺されることにも反対です」と訴え、シール投票も集めました。
「アメリカの戦争はアメリカだけでやればいい」といいながらシールをはった女子学生(21)=横浜市=は、フセインも悪いとしつつ、「戦争で物事を解決しようとしたからおかしくなった」と署名しました。「上の人のけんかで迷惑するのは下の人です。小泉首相は調子のいいことばかりいうだけ。実際に行動する人たち(実行委員の高校生)はすごいと思う」
実行委員の星真理さん(18)=神奈川・大和市=は「戦争で人が死ぬなんて、歴史を学んでないとしか思えない。署名はクラスの半分くらいの人に書いてもらいました。一人ひとりが考え、知ろうとすることが大事だと思います」と話しました。
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イラク派兵法案をめぐる与野党の攻防が続くなか、「有事法制は許さない!運動推進連絡センター」は二十五日、廃案を求めて国会要請行動をおこないました。「最後までたたかいぬこう」との決意が百十人の参加者にみなぎりました。
「市民公聴会」を開いた埼玉大学の三輪隆教授が連帯あいさつし、「法案はアメリカの先制攻撃を含む世界戦略に自衛隊が首までつかるものだ。派兵に反対する連帯の輪を強め、運動していこう」と呼びかけました。
参加した各団体が決意表明。日本高等学校教職員組合の岡田愛之助委員長は「過去の侵略戦争に沈黙の承認をしていったという歴史の教訓に政治家は学ばなければならない。自衛隊の海外派兵はたった一つの法案で決められるものではない」と語りました。
新日本婦人の会の玉田恵事務局長は「連日、各地域でハンドマイク宣伝や署名運動を続けている。法案に反対する国民世論に確信をもちがんばりたい」と決意表明。日本平和委員会の千坂純事務局長は「イラク戦争を支持し、在日米軍基地からの大量出撃を容認し、米軍への補給に手を貸した小泉首相は戦争犯罪人だ。不信任に追いこむ運動を広げよう」と訴えました。
全運輸省港湾建設労働組合の後藤英輝委員長は「イラク派兵や有事法制のために港を使うことに断固反対する。憲法を順守すべき公務員として、憲法と平和を守る立場でがんばっていく」と話しました。北海道から三十人で上京した建交労北海道本部の鈴木徹郎さんは、廃案を求めて昼休みや退勤時にデモ行進したとりくみを紹介しました。
日本共産党の畑野君枝参院議員が「最後は国民のみなさんにかかっています」と、国会情勢を報告し激励しました。
同センターは、廃案を求めるファクスやメールを各議員に集中しようと呼びかけています。