日本共産党

2003年7月31日(木)「しんぶん赤旗」

不破議長、チュニジアの

歴史と現在を視察

カルタゴ遺跡など見学


写真

カルタゴ遺跡の住居跡を背にした不破議長=29日、チュニス近郊(小泉大介撮影)

 【チュニス29日小泉大介】チュニジアの政権党、立憲民主連合(RCD)の党大会に出席のためチュニスに滞在中の日本共産党の不破哲三議長は二十九日、同党の案内でブラジル、イタリア、エリトリア、ニジェールなどの代表とともに、チュニス市内のバルド博物館と通信技術シティーを訪問しました。また午後には同市近郊にあるカルタゴ遺跡を訪れ、同国の歴史と現代の先端の成果に触れました。

 バルド博物館は、古代ローマ帝国がチュニジアに残したモザイクタイルのコレクションが特徴で、一八八八年の創立です。この博物館のコレクションは世界最大といわれ、カルタゴはじめドゥガ、スースなどチュニジア各地から集められたモザイクを中心としたローマ時代の遺品、ギリシャ時代のブロンズや大理石の彫刻が陳列されています。

 通信技術シティーは、通信技術部門での技術者養成と技術開発、通信産業育成のため一九九〇年代末に設立されたセンターで、チュニジアが同国の「シリコンバレーにする」(通信省インターネット局長)と力を入れている部門です。

 また午後には、首都チュニス近郊にある古代カルタゴの遺跡を訪問。カルタゴは紀元前九世紀に地中海の商業民族だったフェニキア人によって建設された古代都市で、紀元前二世紀にローマに滅ぼされましたが、のちにローマの植民都市として再建され、地中海第三の都市に発展した歴史をもっています。

 ローマによる破壊のために、フェニキア時代の遺跡はほとんど残っておらず、現存する遺跡の多くは古代ローマ時代のものです。不破議長が最初に訪れたピュルサの丘は二つの時代を通じてカルタゴの中心となっていたところで、近年の発掘で地下に埋められていた旧時代の住居跡も眼下に見えます。

 続いて不破議長一行は、紀元二世紀に建てられたアントニウスの共同浴場、フェニキア人の聖地トフェを訪問しました。このトフェはフェニキア人の宗教的悪習だった幼児犠牲と結びついたもので、マルクスやフランス人作家フローベルも言及しており、一九七〇年代にユネスコの協力を得て全面的な発掘が行われたものです。不破議長は、案内の青年にこの遺跡の歴史や発掘状況について熱心に質問しました。


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