2003年7月31日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン29日浜谷浩司】イラク戦争への出費が米政府予算に大赤字をもたらし、議会で懸念が強まっているにもかかわらず、ブッシュ政権は、今後の出費の見通しをなお明らかにできないでいます。
上院外交委員会が二十九日開いた公聴会で、ボルテン行政管理予算局長は、米軍十四万八千人がイラクに駐留する状況下、毎月の費用が四十億ドル(約四千八百億円)にのぼることを確認。「すぐに大きく減ると予想する理由はない」と述べ、この水準が当面は続くとの見方を示しました。
さらに、その先については「予想できない」と発言。バイデン議員(民主)に「(十月一日に始まる)二〇〇四年度予算案を近く採決するというのに、示さないのか」とつめられても、「戦闘や復興の費用は分からず、予算案に含めていない」と答弁。同議員が「ばかげている」と息巻く一幕がありました。
ウルフォウィッツ米国防副長官も、「仮に駐留軍の規模をここで十万人だと述べて、実際には十二万人になったとすれば、ミスリードしたとか不正直だったと、そしりを受けることになる」と述べて、見通しを示すことを拒否しました。一方、安全問題をはじめイラクの事態が思い通りに進んでいないことに、同委員会のルーガー委員長(共和党)は、「十分な資源を得るための包括的な計画が立っていない」と指摘し、「国際支援」を広げるよう主張しました。