2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」
小泉内閣は一日の閣議で、二〇〇四年度予算の概算要求基準を了解しました。基準は、社会保障や教育など暮らしのための経費を抑制した前年度を踏襲。国民に痛みを押しつける一方、公共事業の温存を盛り込んだ、暮らしに冷たい基準となっています。
一般歳出の上限は、今年度当初予算を五千百億円上回る四十八兆一千億円です。
年金・医療など法制度にもとづく「義務的経費」は社会保障関係費の自然増などで、今年度当初比八千八百億円増の三十四兆一千億円。そのうち社会保障関係費は自然増分の九千百億円を、年金の物価スライド適用などで二千二百億円圧縮して六千九百億円にします。一方、軍事費は「前年並み」とすることで聖域扱いしています。
環境破壊とムダづかいが厳しく批判されている公共投資関係費は、今年度当初比3%減の八・六兆円を確保。塩川正十郎財務相は3%減にたいし、「コスト削減」で対応できる範囲だとし、「事業量は確保する」と繰り返し発言してきました。
地方向け国庫補助負担金については、〇六年度までに四兆円程度をめどに廃止・縮減するため、来年度から厳しく見直すとしています。義務教育費国庫負担金(約二兆八千億円)などの扱い方が焦点となっています。
すでに来年一月から、配偶者特別控除が廃止されることが決まっています。基準は、不況のなか、さらに将来不安を招き、個人消費を冷やすことにつながるものです。