2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」
来日中のイラク人医師、ジャワッド・アル・アリ氏(バスラ教育病院)とジャナン・ハッサン氏(バスラ母子医院)が一日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、一九九一年の湾岸戦争や今年のイラク戦争で使われた劣化ウラン弾による被ばく実態を報告しました。この中でアル・アリ医師はイラクへの自衛隊派遣にふれ、「国民は米英の占領を支援する自衛隊を歓迎しない」と強調しました。
同医師は「個人的な意見」と断わった上で、「自衛隊派遣はイラク国民を支援するというよりも米英占領軍を支援するためだ」と指摘。米兵が正体不明の武装勢力から攻撃を受けていることを紹介し、「自衛隊がくれば彼らも米軍と同じ問題にぶつかるだろう」と警告しました。ジャナン・ハッサン医師も「派遣は米英軍支援のためだ」と語りました。
両医師は南部の都市バスラで、劣化ウラン弾に被ばくした人の治療にあたっています。両氏は、イラクでは十五歳以下の子どものがん発生率が湾岸戦争を境に急増し、二〇〇〇年には戦争前と比べて十倍になったことなどを紹介。「戦争の最大の犠牲者は子どもたちであり、戦争は未来を奪うものだ」と告発しました。