日本共産党

2003年8月2日(土)「しんぶん赤旗」

ヤミ金融への法規制の新たな強化点とは?


 〈問い〉 ヤミ金融への法規制が強化されるようですが、どんな点がかわりますか。(東京・一読者)

 〈答え〉 ヤミ金融とは無登録業者や、出資法の上限金利・年29・2%を超す違法な高利貸し業者です。資金繰りに苦しむ被害者の弱みにつけこみ、脅迫も用いてトサン(十日で三割)、トゴ(同五割)、トハチ(同八割)など、年数百%から数千%の暴利をとりたてます。このヤミ金融への規制を強化する、貸金業法・出資法改正案が七月に成立しました。日本共産党など野党四党は五月に共同提案をまとめていましたが、その後、与党との調整が進んで与野党一致の改正法案が作成され国会提出となったものです。

 貸金業の登録要件が厳格化され、内閣府令でさだめる一定の財産的基礎(個人三百万円、法人五百万円)をもたない者や、暴力団関係者などは登録できなくなります。日本共産党など野党が主張してきた「許可制」にはなりませんでしたが、登録の際の参入規制が強化されます。あわせて無登録業者の広告・勧誘なども禁止されます。

 また、年利109・5%をこえた金銭消費貸借契約は契約そのものが無効となり、利子は払わなくてよくなります。日本共産党が主張した“出資法の上限29・2%をこえる契約は利子、元金も無効”とはなりませんでしたが、超高金利の歯止めになります。従来も出資法の上限をこえる高金利は刑事罰の対象でしたが、民事上は調停や裁判で争える仕組みでした。改正により、109・5%をこえれば民事上も一律に無効となります。なお、109・5%以下でも、民法上の不法原因給付と認められれば、元金返済も不要となる場合もあります。

 無登録営業や違法高金利への罰則も、五年以下の懲役・一千万円以下の罰金(個人の場合)に強化されます。

 法改正を実効あるものにするためにも「民事不介入」などとしてきた警察や行政の取り締まり強化が重要です。

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 〔2003・8・2(土)〕


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