2003年8月10日(日)「しんぶん赤旗」
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長崎市主催の平和式典が九日、同市・平和公園で行われました。原爆投下の午前十一時二分、第二会場を合わせ六千二百五十人の参列者が、平和と核兵器廃絶の思いを新たにしました。
伊藤一長市長は「平和宣言」の中で、米英はイラクの大量破壊兵器保有を理由に国連の決議を得ることなく戦争を強行したと告発。「小型核兵器などの開発や核爆発実験の再開を示唆し、場合によっては核兵器の使用も辞さない姿勢」だと米国の核戦略を厳しく批判しました。
日本政府に対し、被爆国の政府として核兵器廃絶の先頭に立ち、「専守防衛」の理念を守り、非核三原則を法制化するよう要求。朝鮮半島非核化共同宣言の実現と日朝平壌宣言の精神にもとづく北東アジア非核兵器地帯創設の着手を求めました。
若い世代に向けて「広島・長崎で何があったのかを学んでください。今世界で起こっていることに目を向け、平和を実現するためにできることを考え、互いに手をとり合って行動しましょう」とよびかけました。
小泉純一郎首相は「核兵器の廃絶に全力で取り組んでいく」としながら、具体策を示しませんでした。
式典ではこの一年間に亡くなったり、新たに死亡が確認された二千六百九十二人の名簿を納め、原爆死没者数は累計で十三万千八百八十五人となりました。