2003年8月12日(火)「しんぶん赤旗」
【ワシントン10日浜谷浩司】米上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)は十日、NBCテレビの番組で、イラク問題に対するブッシュ政権のかじ取りを批判し、国連安保理新決議の必要を強調しました。米兵に犠牲が続出し、戦費が膨れ上がり、占領が重荷となり、与党内部に矛盾を広げていることを示しています。
同委員長は、戦争が終わっていないことを強調、「着実に前進している」と楽観的見通しを示したブッシュ大統領(九日のラジオ演説)とは対照的に、厳しい認識を示しました。
占領が順調に進まない背景として、「イラク政治の複雑さを見誤った」「問題に対処する用意がなかった」と指摘。また、「五年間の予算を示す必要がある」と、イラク占領費用の見通しをまったく示さないブッシュ政権を批判しました。
他国の支援が「本当に必要」にもかかわらず、「遺憾なことに、一部の国はまったく米国の問題とみている」とし、国連による合法性こそが、中期的にみても「核心」だと主張しました。
ナン元上院議員(民主党)も、他国を引き込む「国際化」と、イラク人に荷を負わせる「イラク化」が必要だと指摘。国連新決議で、「世界の目からみた一定の合法性」を獲得すべきだと主張しました。
イラク駐留米軍は十四万八千人で、占領費用は毎月四十億ドル(約四千七百六十億円)。米軍の犠牲は、「大規模戦闘終結」後の百日間で、死者百十七人、襲撃によるものは五十七人を数えます。