日本共産党

2003年8月12日(火)「しんぶん赤旗」

英国防省顧問の自殺問題

調査委が審理開始


 【ロンドン11日西尾正哉】英政府の大量破壊兵器情報操作疑惑の渦中で起きたデービッド・ケリー氏の自殺に関する独立調査委員会(委員長・ハットン最高裁判事)の第二回公聴会が十一日、ロンドンの中央裁判所で始まりました。今回から証人を呼んだ実質的な審理に入ります。

 十一日は、ケリー氏の友人で元国連査察官だったテレンス・テーラー氏がケリー氏の専門分野について証言。ほかに国防省、外務省高官らが証人として出席しました。証人を呼んだ審理は十四日まで続き、BBC放送のアンドリュー・ギリガン記者やケリー氏にインタビューしたBBCのスーザン・ワッツ記者も証言します。

 英国防省顧問の科学者で国連査察官だったケリー氏は「政府はイラクの大量破壊兵器に関する情報を『より魅力的に』改ざんした」というBBC放送による報道の情報源として国防省からリークされました。その後、下院外交委員会での調査に証人として呼ばれた数日後に自殺しました。

 閣僚の一人は「われわれの信頼回復は、(調査が行われる)今後二カ月にかかっている」(ガーディアン紙)と語るなど、ケリー氏の自殺をめぐってブレア政権が苦境に立たされています。政府が情報操作疑惑の追及をかわすためにBBCを攻撃し、そのスケープゴートとしてケリー氏が犠牲にされたとみる英国民は多く、メール・オン・サンデー紙の調査では、41%が政府を非難し、政府が正直でないとみる人は68%に上っています。


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