日本共産党

2003年8月12日(火)「しんぶん赤旗」

イラクの子の悲劇 伝えよう

演劇人が集いで反戦輪読


 「白血病で血を吐きながら死んでいくイラクの子どもたちのことを、私たちは広島・長崎の被爆者たちにどう話せばいいのですか」。俳優たちのピースリーディング(輪読)の力強い声。四百人の参加者は、拍手で共鳴します。演劇人の集い「あきらめない、夏2003」が十日夜、東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターで開かれました。

 これは「非戦を選ぶ演劇人の会」(実行委員・渡辺えり子、永井愛ほか)が「ノー・ワーズ、ノー・ピース(言葉がなければ平和もない)」を合言葉に、言葉で表現する者として武力によらない平和を訴えようと開いたものです。二月と四月のイラク戦争・有事法制反対の集いに続き三回目。出演者は五十人を超えました。

 冒頭登場した小泉首相そっくりの俳優松下アキラさんが、国民向けの“演説”。自衛隊のイラク派兵を「どこが危険地帯って? わかりませんよ。ほとんど危険地帯なんだから」と皮肉って会場をわかせます。

 佐々木愛、岸田今日子、松金よね子さんら女性だけのリーディングは、ボスニアやサラエボなど世界の紛争地域の子どもの証言が中心。目頭をおさえながら読む女優もいました。

 イラク滞在中のジャーナリスト・平田伊都子さんが、国際電話で「もう兵隊はいらない」という市民の声を紹介するなど、多彩なプログラムで平和の大切さを浮き彫りにしました。

 涙を浮かべて客席で聞いていた劇団民芸の女優花村さやかさん(25)は、「今、劇『アンネの日記』に主演中ですが、ここに来て、戦争のことをもっと意識しなければと気づきました。思っていれば、どんな形でも伝わります」と話しました。


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