日本共産党

2003年8月14日(木)「しんぶん赤旗」

空中給油機

格納庫を概算要求

初配備向け米軍と訓練も


 防衛庁・自衛隊は、二〇〇六年度に予定している空中給油機の初配備に向け、基地の選定や戦闘機による空中給油訓練の実施など動きを本格化させています。

 同庁は十三日までに、八月末の〇四年度概算要求に空中給油機の格納庫整備費を盛り込み、年内にも配備基地を選定することを決定しました。配備基地は、三千メートルの滑走路を持つ小牧(愛知県)、千歳(北海道)、浜松(静岡県)の三つの航空自衛隊基地を対象に検討する方針を固めました。

 空中給油機は、現行の「中期防衛力整備計画」(中期防、〇一−〇五年度)で初めて導入が決まりました。導入機数は四機で、すでに〇二年度予算に一機目、〇三年度予算に二機目の調達経費を計上。一機目は〇六年度末までに配備されることになっています。

 中期防では、空中給油機に「国際協力活動にも利用できる輸送機能」を持たせることになっており、三基地のなかで唯一、輸送航空隊が配備されている小牧が最有力視されています。

 一方、「空中給油機の運用態勢を確立する」として、空自のF15戦闘機が米空軍のKC135空中給油機から給油を受ける訓練も今年初めて行われました。

 初訓練は、四月二十一日から五月二日まで新田原基地(宮崎県)で実施。その直後の日米共同訓練コープ・ノース(五月七日−十六日、千歳、青森県三沢基地など)の中でも行われました。

 さらに、六月には、米国アラスカ州での米空軍演習コープ・サンダー(五日−二十日)に空自のF15戦闘機が参加。日本からアラスカに向かう途中で米空軍のKC135から給油を受けました。日本の戦闘機が空中給油を受けて海外に出動するのは初めてでした。

 アラスカへの出動が示すように、空中給油機は、戦闘機の滞空時間・航続距離を伸ばし、海外への侵攻も可能にします。石破茂防衛庁長官は、自衛隊が海外の敵基地に対する攻撃能力を保有することについて「検討に値する」(三月二十七日、衆院安全保障委員会)と述べています。

 米国の戦争を支援するため自衛隊の海外派兵をいっそう拡大しようとする動きがかつてなく強まっているなか、空中給油機の配備はいよいよ危険なものになっています。


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