日本共産党

2003年8月14日(木)「しんぶん赤旗」

英情報疑惑

外相コメントは「誇張」

BBC記者 調査委にテープ提出


 【ロンドン13日西尾正哉】英国防省顧問だったデービッド・ケリー氏が死亡した経緯を調査する独立司法調査委員会は十三日午前、公聴会を開き、英BBC放送のスーザン・ワッツ記者が十二日に続いて証人として証言しました。同日午後にはBBC放送のリチャード・サムブロック報道部長らが証言しました。

 ワッツ記者は、ギリガンBBC記者が“政府が情報文書をより魅力的に改ざんした”と報じた翌日にケリー氏に電話した際に録音したテープを証拠として提出。テープは再生され、ケリー氏がストロー英外相やブッシュ米大統領のイラクの大量破壊兵器に関するコメントを「スピン(誇張)だ」と否定していたことが明らかになりました。

 また、“四十五分の主張”が盛り込まれた経過については、首相官邸のキャンベル戦略・報道局長の関与を否定したものの、「私が言えることは、(盛り込んだのは)ダウニング街十番地(首相官邸)の報道官だということだ。キャンベル氏は報道室と同義語だ。彼はその責任者だからだ」と述べていたことが明らかになりました。

 ワッツ記者は五月にも三度にわたってケリー氏にインタビューしており、十二日、その際の手書きの取材メモを証拠として提出。メモには「(四十五分の主張が)書き込まれたのは誤りだ。キャンベルがそれに関連しているようだ(とケリー氏は語った)」などとキャンベル氏が名指しで書かれていました。しかし、ワッツ記者は報道には使いませんでした。その理由を尋ねられて「特に議論を呼ぶ内容ではなく、根拠のないおしゃべり」と考えたからだと証言しました。

 ワッツ記者に先立って十二日の公聴会で証言したギリガン記者は、「ケリー氏が取材で『イラクの大量破壊兵器計画はちっぽけで、すべて実行しても大量に人を殺せるものではない』との認識を示した」と述べました。ワッツ記者も同日、「私の印象では、大量破壊兵器開発計画は極めて限定的なものでその証拠があったとしても始まったばかりのものだと彼(ケリー氏)は考えていた」と述べました。


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