日本共産党

2003年8月15日(金)「しんぶん赤旗」

シーア派デモに米軍発砲

バグダッド

イラク人5人死傷


 【カイロ14日小泉大介】米軍が占領するイラクの首都バグダッドで十三日、同軍がイスラム教シーア派住民のデモに発砲し、イラク人一人を殺害し、四人を負傷させました。バグダッドで大規模なシーア派住民と米軍との衝突が発生したのはこれが初めてです。

 現地からの報道によると、住民デモが発生したのは、バグダッド市内北部のイスラム教シーア派住民の居住区サドル・シティー(旧名サダム・シティー)で、同地の通信施設に掲げられたシーア派の旗を米軍がヘリコプターで除去しようとしたのをきっかけに、約三千人の住民が抗議のデモをおこないました。

 デモ参加者の一部は暴徒化し、鎮圧にあたった米軍にたいし、投石に加えロケット砲や小銃で攻撃し、米軍が応戦するなかでイラク人に五人の死傷者がでました。

 住民は「アメリカ・ノー」と口々に叫び、米軍の鎮圧にたいし、「これはイスラム教徒の聖地への侵略だ」と抗議しました。米軍は同日、同地のシーア派聖職者にたいし謝罪したとされます。


米軍の死者60人に

 一方、バグダッド北方では十二、十三日と、米軍車列を狙った襲撃事件が二件発生し、米兵二人が死亡、三人が負傷しました。ブッシュ米大統領が戦闘終結宣言をおこなった五月一日以来の戦闘による米軍兵士の死者は六十人に達しました。

 イラク駐留米軍によると、十二日夕には、バグダッド北方約十五キロのタジで、十三日朝には同約百五十キロのダワルでそれぞれ米軍の車列を狙った攻撃が発生し、あわせて米兵五人が死傷しました。いずれの攻撃にも手製爆弾が使用されたもようです。米軍にたいする最近の攻撃では、手りゅう弾やロケット砲に加え、手製の爆弾の使用が特徴です。


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