日本共産党

2003年8月19日(火)「しんぶん赤旗」

イラク 米軍、記者を射殺

ロイター・カメラマン 砲撃事件の取材中


 イラクの首都バグダッドの郊外でロイター・テレビのパレスチナ人カメラマン、マゼン・ダナ氏が十七日、米軍兵士によって射殺されました。ロイター通信が伝える目撃情報によると、マゼン氏は十六日に砲撃事件があったアブグレイブ刑務所を取材中に同刑務所前の道路で米軍戦車から銃撃を受けました。事件は、イラク各地で住民による米英軍に対する抗議行動、撤退要求の運動、武装勢力の活動がますます激しくなるなかで起きました。米英軍のイラク占領をめぐる混乱が深まっていることを物語っています。

占領の混乱深まる中

 同氏の撮影した映像には、米軍戦車が同氏の方向に進み、戦車からの銃声が聞こえた後、カメラが地面に向かって倒れていく様子が映されていました。

 現地の米軍当局と国防総省は同氏の殺害を認め、カメラを対戦車ロケット砲(RPG)と誤認したためと発表しました。しかし、マゼン氏に同行していた音響担当の男性は「米軍は私たちの身元と仕事を知っていた」と語り、兵士らは近くの橋から刑務所全景を撮影する要求に合意していたといいます。

 首都バグダッドのイスラム教シーア派居住地区サドル・シティーでは十三日、モスク近くの通信用の塔に掲げられたイスラム教の旗を米軍が除去しようとし、シーア派住民が抗議、これに米軍が銃を発射してイラク人五人が死傷する事件がありました。

 米軍は発砲を認めましたが、数万人の市民の抗議行動が行われており、米軍は同地域からの引き揚げを余儀なくされました。米英占領軍の横暴は、ますます市民の反発を呼んでおり、他国の部隊の駐留地域も含めて緊張が高まっています。


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