2003年8月21日(木)「しんぶん赤旗」
【パリ19日浅田信幸】バグダッドの国連本部へのテロ攻撃についてフランスのシラク大統領は十九日、アナン国連事務総長にメッセージを送り、「悲憤をもって」ニュースに接したとし、「保留なき怒りと非難」を表明。「国連を通して、攻撃されたのは国際社会全体である」とのべました。
また仏外務省も同日、デメロ国連事務総長特別代表の死を悼むとともに、「国連本部へのテロ攻撃を最大限の厳しさをもって非難する」との声明を発表しました。
【ベルリン19日片岡正明】ドイツのシュレーダー首相は十九日、イラクの国連本部が爆破され、デメロ国連事務総長特別代表が死亡したことに関し、卑劣な襲撃の犠牲となったデメロ氏を悼むとともに、この爆破テロは国連への攻撃であるとともに、イラク国民の将来への攻撃だと非難しました。
また、フィッシャー外相はデメロ氏の死に「驚きと深い悲しみ」を表明し、同氏は国連のトップ外交官でありドイツの友人で「国連の補いがたい損失だ」と語りました。
【ロンドン19日西尾正哉】英国のストロー外相は十九日、バグダッドの国連現地本部へのテロ攻撃について、「イラクとその国民、国際社会全体への攻撃だ」と非難しました。同外相はまた事件をフセイン元大統領に関係するグループの責任とする見方を示しました。
【メキシコ市19日菅原啓】デメロ国連事務総長特別代表の出身国ブラジルのアモリン外相は十九日、「バグダッドの国連諸機関にたいして行われたテロ行為を厳しく糾弾する」とテロを強く非難しました。
同国のルラ大統領は、国連がイラク国民と国際社会のために貴重な活動をおこなっているときにテロ攻撃が行われたと批判。犠牲となったデメロ代表を追悼するため三日間の全国服喪を発令しました。
また、メキシコ大統領府は十九日、爆破事件を糾弾するとともに、標的となった国連にたいして連帯を表明する声明を発表しました。