日本共産党

2003年8月23日(土)「しんぶん赤旗」

アナン総長

国連の役割は経済、政治

イラクの治安 米は「新決議」模索


 【ワシントン21日遠藤誠二】バグダッドの国連現地本部爆破テロを受け、パウエル米国務長官は二十一日、ニューヨークの国連本部を訪れ、アナン事務総長と会談しました。

 共同記者会見にのぞんだパウエル国務長官は、「(アナン事務総長との)会談では権限の割譲は問題とならなかった」と語りました。治安分野で国連にその役割を移す意思のないことを改めて表明。一方で、「新決議での新たな言葉で他国の(参加を)促進させる」とものべました。

 アナン事務総長は、「国連の役割について、われわれは経済、政治、復興(の分野)に焦点をあててきた」とし、国連平和維持軍や多国籍軍の派遣を「奨励する意思はない」と言明しました。

 国連史上最悪の事件の一つとなった十九日の爆弾テロをめぐっては、アナン事務総長自ら、米英占領軍の「責任」を指摘しています。

 ラムズフェルド米国防長官は二十日、米軍をイラクに増派しないと表明しています。米国内では、イラクに展開する部隊の増強を要求する意見が連邦議員から出される一方、米兵の早期帰還を求める声が依然として根強くあります。

 米ブッシュ政権は、新安保理決議という形で治安部門における国際社会のよりいっそうの参加をつのり、事態を乗り切る構えです。

 米国はすでに、各国にイラク派兵を要請する新決議を先月提示しています。フランス、ドイツ、ロシア、インド、トルコなどは、国連の枠内での形態でない限り参加を拒否する姿勢を示しています。


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