日本共産党

2003年8月23日(土)「しんぶん赤旗」

米英、イラク侵攻すれば

「森で死んで発見される」

ケリー氏が漏らしていた

英独立司法委


 【ロンドン21日西尾正哉】英国防省顧問の科学者、ケリー氏が自殺した状況を調べる独立司法委員会(ハットン委員長)の二十一日の審理で、ケリー氏が、米英が侵攻すれば、国連査察団の一員として活動してきた自分がイラク側にウソをついたことになり、「森の中で死んで発見されるだろう」と友人の外交官に漏らしていたことが明らかになりました。

 国連軍縮会議の英軍縮大使、デービッド・ブローチャー氏が証人として出席し、今年二月にジュネーブの会議でケリー氏と会った際の会話を証言しました。ケリー氏は、国連査察団の活動が適切におこなわれており、国連決議への順守の態度がイラク側にある程度みられている、と評価していたといいます。

 しかし、ブローチャー氏によると、(米英による)侵攻はいずれおこなわれると思っており、自分が道徳的にあいまいな立場に追いこまれるだろうと確信していた」といいます。ブローチャー氏は、「連絡を取ってきたイラクの相手を裏切り、彼の行動の結果それらの人々が死ぬことになるかもしれない」とケリー氏は憂慮していたと思うとのべました。

 ブローチャー氏が「大量破壊兵器を破壊すれば攻撃はないとイラク側に確証してきたのに攻撃されれば、どうなる?」とケリー氏に尋ねたところ、「自分は森の中で死んで見つけられるであろう」とケリー氏は語ったといいます。

 ブローチャー氏は、「彼(ケリー氏)は、情報文書をできる限り強力にするようにとの強い圧力があると語っていた」と指摘。さらにケリー氏は「生物兵器がイラクに多くは残されておらず、また、これらの兵器はその充てん物と弾薬とが別々に保管されておりすぐには使用不可能と考えており」、〇二年九月のイラクの大量破壊兵器に関する政府の情報文書に“イラクは四十五分以内で大量破壊兵器の配備が可能”と盛り込まれたことに確信を持っていなかったとのべました。

 独立司法委員会は二十一日休会し、二十六日に審理を再開。二十七日にはフーン国防相、そして二十八日にはブレア首相が証人として出席することになっています。


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