日本共産党

2003年9月3日(水)「しんぶん赤旗」

被災住宅再建へ支援金

世論と運動が国動かす

内閣府 制度創設へ概算要求


表

 地震などの自然災害で全半壊した住宅にたいする再建支援制度を創設することが、内閣府の来年度予算の概算要求に盛り込まれました。個人の住宅再建に国が直接支援策(別表)を打ち出したのは初めて。被災地域を中心に全国に広がった「住宅再建に公的支援を」の世論と運動が政府を動かしたものです。二日、日本共産党国会議員団は内閣府の担当者から詳しい説明を受けました。

 新制度について内閣府は、今後、予算編成の過程で具体化し、来年の通常国会に被災者生活再建支援法改正案を提出する予定です。

 支援金は同法にもとづく「特別経費」の一部で、現行の生活再建支援金(最高百万円)と合わせると最高三百万円が支給されることになります。

 現行の支援金についても、支給世帯を広げるために、年齢、所得制限など対象要件の緩和を検討するとしています。

 日本共産党は、阪神・淡路大震災直後の一九九五年二月に、政府の責任による個人補償と住宅保障などを柱にした復興対策の「提案」を発表。九六年十一月には「生活再建支援法案大綱」を提案し、超党派の議員に共同をよびかけて実現に努力してきました。

 政府は、「個人財産(住宅)に公費は投入できない」として、住宅再建支援をかたくなに拒否し続けてきました。公的支援を求める世論と運動、超党派議員のねばりづよいとりくみで九八年五月に現行法が成立、二〇〇一年一月には日本共産党としてこの充実を求めた改正案を提出しました。

 国会質問でもたびたびとりあげるなか、今年七月、大沢たつみ参院議員がただしたのにたいし、鴻池祥肇防災担当相が「来年度の予算に反映させたい」と答弁。概算要求内容が注目されていました。

大きな一歩、さらに充実を

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 日本共産党の大沢たつみ参院議員の話 これまで「個人の財産に公的補償はしない」という姿勢を通してきた政府が、やっと住宅再建支援に踏みきりました。これは、なによりも被災者の方々の強い思いと運動の力です。私も、切実な声を受けて、国会でとりあげてきましたが、大きな一歩であり、ほんとうにうれしいです。

 同時に、支給金額など、中身はまだ十分とはいえませんが、制度として確立し、充実させていかなければなりません。被災して、住まいまで失った方々が、意欲を失わず、生活を再建できるための支援制度をつくるために引き続きがんばります。


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