日本共産党

2003年9月3日(水)「しんぶん赤旗」

「三位一体の改革」で自治体にどんな影響が?


 〈問い〉 小泉内閣が地方財政について「三位一体の改革」といっていますが、どういうものですか。(長野・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣は、「構造改革」をすすめるといって、国民に様々な“痛み”をおしつけてきました。その柱の一つが「国と地方のあり方」にかかわっての「三位一体の改革」で、これによって、国から地方への財政支出をけずり、自治体と住民サービスを切り捨てていこうというのがねらいです。

 「三位一体」とは、(1)国庫補助負担金の廃止・縮減、(2)地方交付税の縮小、(3)地方への税源移譲、の三つを一体でおこなおうというものです。ことしの六月二十七日に閣議決定された、小泉内閣の「骨太の方針第3弾」で、その内容が示されました。

 「補助金」は公共事業などを誘導する「ひもつき行政」にも使われ、その改善の要望がだされてきました。しかし、「骨太方針」で「廃止・縮減」の重点にされているのは、保育所運営費や義務教育教員給与の国の負担金など、法令で決められた国の支出についてです。国庫補助負担金の全体をみても、福祉や教育の分野が約八割をしめ、これらの廃止・縮減がねらわれているのです。

 「骨太方針」では、引き続き自治体が実施する必要があるものについては税源移譲する、としていますが、それも「八割程度」とか「徹底的な効率化」が前提というものです。結局、地方への財源は削られ、住民サービスの低下につながります。

 また、農山村の自治体では、住民や企業など課税対象が少ないため、税源移譲されても、廃止される補助負担金の額に到底およびません。そこで財政力の不均衡を調整し、自治体の財源を保障している地方交付税の役割が重要になりますが、この交付税の機能を逆に縮小するというのですから、自治体が不安を抱くのは当然です。

 「三位一体の改革」は、自治体をつぶす市町村合併の押しつけとも結びついています。

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 〔2003・9・3(水)〕


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