日本共産党

2003年9月4日(木)「しんぶん赤旗」

米の指揮下で多国籍軍

ブッシュ政権 イラク新決議案提出へ


 【ワシントン3日浜谷浩司】ブッシュ米大統領は二日、国連安保理に対してイラク派遣多国籍軍の創設を中心とする新決議の採択を求める方針を決定しました。パウエル国務長官やライス大統領補佐官らと協議し決めた、と米メディアが報じました。

 イラク占領に予想を超えた膨大な軍事的、財政的負担がのしかかる中、国連現地本部爆破などを通じて軍事支配の破たんが鮮明になったことを受けたものです。

 とくに、トルコ、インド、パキスタンなどが、部隊のイラク派遣には国連決議が前提だとしていることが、直接の要因とみられています。

 一方、議会予算局は三日付で、イラク占領に要する軍事費を年間百四十億―百九十億ドル(約一兆六千二百億―約二兆二千億円)と見積もった報告書を公表しました。国際分担を要求してきた議会からの圧力は、さらに強まることが明らかになっています。

 米政権にとって、多国籍軍の指揮権を米国が確保することは前提条件。イラク政府樹立までの暫定行政権も、あくまで米国が握る意向です。新たな方針も、軍事、財政の両面で国際的な支援を拡大することが主眼で、国連を利用しながら、実質的な占領を貫徹させる意思を捨てていません。

 フランスなどは米国に厳しい姿勢をみせており、安保理などで今後、米国が国際的な批判に直面する可能性もあります。

 ワシントン・ポスト紙は、国防総省がイラク駐留米軍の指揮を米将官がとることに「固執」しており、また、イラクの政治体制や経済の方向づけにあたっても、「国連に大きな権限を与えることには消極的」として、米政権がどれだけの権限を国連に委譲するかは「不明」と指摘しています。


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