2003年9月4日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン2日遠藤誠二】米民主党のジョン・ケリー上院議員(59)は二日、サウスカロライナ州で、来年秋の大統領選にむけた民主党候補者指名の予備選への出馬を表明しました。同氏は、「米国がほとんど孤立するような国際政策は米国にとって誤りだ」とのべ、ブッシュ政権の一国主義を非難。「今日の米国ほど強大な力を持っている国でさえ、世界に友人は必要だ」とのべ、自身が大統領になれば外国との協調を図る政策に変換させると訴えました。
ケリー氏は、イラクが「米国の介入である限り、危険と犠牲者は増大する」と指摘。「米国の占領という感じを一刻も早く終わらせるべきだ」「今こそ国連に戻るときだ」と語りました。
民主党からは九人が大統領選に出馬表明しています。このうちケリー氏は、ベトナム侵略戦争従軍で勲章を授与され、戦闘経験をもつ唯一の人物。ゲッパート前下院院内総務と並ぶ有力候補とみなされています。
一方、今年五月に退任したホワイト陸軍長官は、四日に発売する共著『エデンの復興』で、ブッシュ大統領による大規模戦闘終結宣言後のイラク占領政策を断罪しています。
同氏は、「イラクを自由にさせるという(政権の)見通しは、現場での厳しい現実を無視し、政治、経済を再生させ親米市民がすぐにできあがる」という幻想にすぎないものだと指摘。このままでは「財政破たんを招き、死者数を増大させ、イラクに混乱を招き、米国の善意を浪費する結果を招く」と断言し、「でたらめなやり方で復興を続けるべきでない」と力説しています。