日本共産党

2003年9月6日(土)「しんぶん赤旗」

年金保険料を1.5倍に

厚労相試案

給付は大幅引き下げ


 坂口力厚生労働相は五日、二〇〇四年の年金「改革」にむけた厚労相試案を発表しました。

 厚生年金の保険料負担を年収の20%(労使折半)まで段階的に引き上げるとともに、給付水準(四十年加入)は現役世代の平均的な手取り年収の50%−50%台半ばまで引き下げる(現在は59%)など、国民にいっそうの負担増と給付減を押しつける内容となっています。

 厚労省は、この試案と社会保障審議会年金部会が来週にも提出する意見書をもとに、同省の「改革」案をまとめる方針です。

 試案は、厚生年金の保険料を年収の20%まで引き上げたところで固定し、その後は保険料収入の範囲内に給付を抑える「保険料固定方式」の導入を打ち出しました。いまの保険料13・58%を一・五倍に値上げするものです。

 国民年金保険料(現在は月一万三千三百円)も、月一万八千円台まで引き上げるとしました。

 一方、給付水準については、経済状況や少子化の進行などに応じて給付を自動的に削減するしくみの導入を打ち出しました。

 試案では、百四十七兆円にのぼる年金積立金を、一年分の給付額を残して二一〇〇年までの間に取り崩し、給付に回す案も示しました。

 次の「改革」で避けて通れない課題である、基礎年金にたいする国庫負担を二分の一(現在は三分の一)に引き上げることについては、「今回改正で行うこととし、その道筋をつける」とのべるにとどまりました。

 財務省が検討している年金支給開始年齢の改悪(六十五歳から六十七歳へのくりのべ)についてはふれませんでした。


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