日本共産党

2003年9月6日(土)「しんぶん赤旗」

「フード・マイレージ」とは!?


 〈問い〉 「フード・マイレージ」という言葉を聞きましたが、どういう意味ですか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 マイレージとは「総マイル数」などを表す英語ですが、「フード・マイレージ」というときは、輸入食品などの量と輸送距離に注目した指標としてつかわれています。たとえば食料の輸送量(トンなど)×輸送距離(キロメートルなど)といった計算で、数量的に表しています。一九九〇年代にイギリスの消費者運動家などが提唱した、生産地から食卓までの距離に着目する「フード・マイルズ」の概念が起源といわれます。

 フード・マイレージが大きいことは、大量の食料を遠距離から輸送していることになり、輸送の燃料消費や温暖化ガス排出などで環境に大きな負荷を与えます。カロリーベースで六割もの食料を輸入に頼る日本はフード・マイレージも大きく、環境への影響からも問題です。

 二〇〇一年、農林水産省の農林水産政策研究所が刊行している研究誌に「『フード・マイレージ』の試算について」という論文が掲載されました。日本の輸入食料のフードマイレージを総体として把握しようとした試みとして、注目されています。

 試算では、すべての輸入食料の輸送量や輸送距離を集計することは困難なため、日本が食料輸入している輸入額上位十五カ国を対象に、輸送距離をそれぞれの首都から東京までの直線距離とするなどの仮定をおきました。試算の結果、二〇〇〇年の日本のフード・マイレージは約五千億トン・キロメートル。韓国の約三・四倍、アメリカの約三・七倍に達しました。一人あたりの輸入食料は四百二十キログラムですが、その平均輸送距離は一万キロメートル弱で、論文では「直線距離でほぼ東京から米国のシカゴまでの距離に相当」と指摘しています。

 また、米国からの輸入食料は輸入額では20%台ですが、フード・マイレージでは66%に達します。日本の食料輸入が、遠距離の「特定国に偏っている」ことが鮮明です。

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 〔2003・9・6(土)〕


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