日本共産党

2003年9月11日(木)「しんぶん赤旗」

アラブ連盟 イラク派兵拒む

「評議会は国民代表でない」


 【カイロ9日小泉大介】アラブ連盟(二十一カ国とパレスチナ自治政府が加盟)の外相会議が九日、カイロの連盟本部で開かれ、会議終了後の記者会見でムーサ事務局長は、アラブ諸国はイラク派兵をおこなわないと断言するとともに、米国任命のイラク統治評議会を、アラブ連盟会議への代表として認めても、それ自体をイラク国民を代表するものとは認めない立場を明らかにしました。


 ムーサ事務局長は会見で、現在米国が新たな国連決議を採択し実現しようとしている多国籍軍のイラク派兵に関し、「もし、この派兵問題をいずれのアラブ国に問うたとしても、答えは同じである。それは受け入れられない。占領軍を守るためにアラブが軍を送ったり、アラブ国の占領にアラブの軍が加わることは筋が通らない」とのべました。

 会見に同席したエジプトのマーヘル外相は「はっきりしているのは、外相会議でこの(派兵)問題はまったく討議されなかったということだ」「エジプトは自軍の派兵には同意しない」と明言しました。

 外相会議は会議の冒頭、連盟へのイラク代表権を求めるイラク統治評議会の要請にもとづき、これを認める声明を発表しました。ムーサ事務局長はこれについて「あくまでも暫定的な代表権を認めたものであり、アラブ連盟として統治評議会そのものを認めたものではない」とのべました。

 マーヘル外相は「ある権威から任命されただけで、完全な支配権も主権ももたない政府であることが、われわれがそれを認めない理由だ」と指摘。統治評議会の代表権を承認したことについては、「占領終結とイラク人による主権確保、憲法と正式な政府を欲するという彼らの主張を信じたからである」とのべました。


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